M 5 沖仁さんのギターの音色が、美しく華麗なストリングス、リズミカルかつキレのよいパルマでさらに躍動感を増していて、目に見えてくるような色鮮やかな作品になっています。若かりし頃、カナダへクラシックギターを習いに行き、クラシックギターのはずが間違えてフラメンコギターを買ってしまったことが始まりだったという沖仁さん、子供の頃からいろんな音楽に触れてきた沖仁ワールドが表現された、その8枚目のアルバムです。フラメンコギターの、時に激しく、時に優しく、人の感情を揺さぶる美しくとても深い音色を感じつつ、さらにいろんなジャンルを超えてその先へ行く新しい"沖仁音楽"を表現された1枚と言えるのではないでしょうか。どの曲も素晴らしいのですが、3曲目:Tierra [ティエラ] ~大地行進曲~、葉加瀬さんのヴァイオリンと沖仁さんのフラメンコギターのデュエットが、まるで会話しているような、人生に語りかけられ勇気をもらえるような、流れて弾む曲調の中に、喜びや哀しみが詰め込まれていて、何度も聴きたくなる名曲です。初めての方にも馴染みあるカバー曲も(1曲目にスペイン、4曲目に禁じられた遊び、8曲目にロミオとジュリエット、11曲目に不動産会社のCM曲 Sameone to watchi over me)沖仁さんのギターアレンジにストリングスが効果的に絡み合い、とても聴き応えあり。心に響き渡ります?古典的なフラメンコを楽しめる曲もあり、ほんとうに色とりどりの、12曲それぞれがとても魅力的なアルバム。ジャケットがそれを表現していて目にも美しく楽しめる1枚です。そしてライブでぜひ、生のフラメンコギターの超絶技巧を(ほんとにすごいんです!)、心揺さぶる激しく深い音色を堪能してみてください。