DAINITE SOLE(ダイナイトソール)で有名な、英国の老舗ソールメーカー・ハルボロラバー社。この靴に採用されている「DAINITE CITY SOLE(ダイナイトシティソール)」は、クロケット&ジョーンズがハルボロラバー社と共同で作り上げたエクスクルーシブソールになります。ダイナイトソール特有のスタッドと呼ばれる凸凹を円形の溝に変更することでソールの厚みを減らし、レザーソールに近いドレッシーな見た目を実現していることが特徴です。通常のダイナイトソールよりも屈曲性・グリップ力に優れており、ソールがしっかり地面に張り付くのでたいへん歩きやすいです。丈夫で擦り減りにくく、水に強く雨の日でも安心して履けるという特性は従来同様です。実用性、コスト面(ソールの張り替え頻度)、いずれもレザーソールよりも秀でています。
“質実剛健”の美学を貫く、英国王室御用達の高級革靴ブランド
「CROCKETT&JONES(クロケット&ジョーンズ)」は、1879年に英国靴の聖地と言われるロンドン北西の都市ノーザンプトンで創業した高級靴メーカーです。チャールズ・ジョーンズ氏とその義理の兄弟ジェームス・クロケット氏によって設立されました。丁寧な手仕事に裏打ちされた高品質なグッドイヤーウェルト製法の靴は、その洗練されたデザインと履き心地の良さから数ある英国の靴メーカーの中でも高い評判となり、英国内にとどまらず世界へと広まっていきました。
クロケット&ジョーンズの最大の特徴は、世界中で最も多くの木型の種類を有する靴メーカーとして、靴作りのデザインバリエーションや素材選びについて優れたノウハウを有していることにあります。それは、ポールセン・スコーン、ジョン・ロブ、ジョージ・クレバリーといった伝統的なハンドメイドのビスポークシューズを高級既製靴ブランドとして製品化させた実績でも証明されています。
もちろん、確かな品質への評価も高く、妥協することない伝統的な靴作りの基本はそのままに、徹底した管理体制の下、一足の靴を作り上げるのに約8週間を要する質実剛健な靴作りを貫いています。材料の品質や工場の管理、生産工程にも妥協することなく、その品質と技術を駆使して作られた靴は、2017年にチャールズ皇太子よりロイヤルワラントを授与され、晴れて“英国王室御用達”となりました。
百年定番!品位ある色気を体現した傑作チェルシーブーツ「CHELSEA 8」
サイドゴアブーツ、チェルシーブーツ、アルバートブーツ、様々な呼び名を持つこのブーツの歴史はヴィクトリア朝時代のイギリスにまで遡ります。時は19世紀。ロンドンの靴屋が、当時即位したばかりのヴィクトリア女王のために脱ぎ履きが容易なブーツを仕立てたのが起源とされています。このブーツをたいそう気に入ったのが、ヴィクトリア女王の夫であるアルバート公でした。合理的思考の持ち主だったアルバート公は、脱ぎ履きが容易で優れたフィット感が得られるサイドゴアブーツを好んで愛用します。こうして誕生したサイドゴアブーツは、1840年代後半から徐々に普及しはじめ、やがて海を渡り世界へと広がっていきます。坂本竜馬や高杉晋作、昭和天皇もこのブーツを愛用していたと言われています。
もともとは格式高い靴だったサイドゴアブーツ。ファッションアイテムとして広く認知されるようになったのは1960年代以降のことです。きっかけはビートルズです。デビュー当時の彼らが履いていたのがこのブーツだったことから、若者を中心に世界中で大ブレイクします。女王のために考案され、男性用のフォーマル靴として発展し、ビートルズによって世に広まり、時代を超えて愛され続けているサイドゴアブーツは、美しさと機能性とを両立した稀有な存在です。このような歴史を知ると、履いたときに不思議と背筋が伸びるような気がします。
イギリスの靴メーカーなら必ず作っているサイドゴアブーツ。中でも並々ならぬこだわりを持っているのがクロケット&ジョーンズです。ドレスシューズとしても通用する表革のスタンダードなモデルからオイルドヌバックを採用したタフで堅牢なモデルまで豊富にラインナップしており、その数は英国随一です。その中にあって燦然と輝きを放ち続けているのが、5大傑作モデルのひとつ「CHELSEA(チェルシー)」です。登場してから100年以上経ちますが、その時代に合わせて進化し続け、今もなお売れ続けている傑作です。CHELSEAは木型の違いで1〜11まで用意されており、それぞれの木型でまったく異なる表情を見せます。代表的なものとして、スクエアトゥの「3」、ラウンドトゥの「5」、エッグトゥの「8」、この3つがあります。
今回ピックアップしたのは、黄金バランスを誇る木型341を採用した「CHELSEA 8」になります。クロケット&ジョーンズのサイドゴアブーツについて語るとき、必ずその名が挙がるのが「8」です。側面にゴア(ゴム布)が縫い込まれた王道デザインなのですが、「8」はゴアの形状に特徴があります。他のモデルのゴアが長方形なのに対し、「8」のゴアは履き口に向かって広がる“V字型”になっています。さらには他のモデルよりも高さ(丈)がやや短く、すっきりシャープな印象の木型341と絶妙にマッチし、シンプルな中にも品位ある色気を漂わせます。サイドゴアブーツの正当性を保ちつつも、さりげなく個性を発揮できるところに「8」の価値があります。これ以上もこれ以下も存在しない完成されたデザインで、道具として優秀なだけでなく、創業140年余りの伝統が支える安心感と信頼感、そこに英国王室御用達のステイタスが加わった、いつの時代も輝きを放ち続ける“ドレス顔サイドゴア”の傑作です。
付け入る隙がない完璧な曲線美を生む黄金バランス木型「LAST341」
「8」が“ドレス顔サイドゴア”の傑作と呼ばれる所以は、黄金バランスを誇る木型「341」にあります。稀代の靴職人ディミトリー・ゴメス氏が手掛けた337と同時期(2000年代前半)に開発された341は、絶妙な捨て寸をとったチゼル気味のエッグトゥというフレンチテイストを取り入れたエレガントかつ癖のないフォルムが特徴です。全体的にシャープなシルエットですが、甲に程よい高さがあるためフィット感がよく、絶妙な丸みを帯びていてやわらかい表情が生まれることからドレスシューズだけでなくスリッポン系の靴にも使用されることの多い万能木型です。朴訥としすぎず、それでいてイタリア靴ほど攻めすぎていない、イギリスの伝統とフランスのエレガンスの融合した素晴らしい木型です。
この341をサイドゴアブーツに用いることによって流れるような曲線美を生み出し、伝統と品格を保ったまま色気を醸し出すことに成功しています。男性的なイメージのあるサイドゴアブーツですが、「8」には女性的な繊細さや美しさがあるのでドレススタイルにも足元にもすんなり溶け込みます。ホッソリしつつも丸みを帯びていて美しい正面姿、チゼル気味のエッグトゥから甲へと駆け上がる流れるような横姿、膨らみを持ちつつも履き口に向かって細く絞っていくセクシーな後姿、どの角度から見ても美しく、付け入る隙など一寸たりともない完璧なプロポーションを誇ります。
キメが細かく、滑らかで、美しい艶を湛える「高級アニリンカーフ」
使用されている革は、生後6ヶ月以内の仔牛革を丹念に鞣した後、アニリン染料(酸性の水性合成染料)を染み込ませて着色した高級カーフになります。アニリン仕上げは染料が薄く革質がダイレクトに出るので、通常は原皮のクオリティに自信がない限り行いません。そういう意味でもこの革は、肌目が非常に細かく美しいのでアニリン仕上げが相応しいです。ハンドグレードラインの最高級カーフには及びませんが、それでも十分すぎるクオリティです。見た目が美しく、滑らかで、モッチリとした弾力があり、やわらかくて足に馴染むのが早く、履き込むにつれ色の深みと光沢が増し、足を包み込むようなフィット感が得られることが特徴です。ちゃんと手入れをすればそれに応えてくれる革なので、手入れし甲斐(磨き甲斐)があると思います。
スッキリ顔で、耐久性・耐水性に優れた新作ラバーソール「CITY SOLE」
DAINITE SOLE(ダイナイトソール)で有名な、英国の老舗ソールメーカー・ハルボロラバー社。この靴に採用されている「DAINITE CITY SOLE(ダイナイトシティソール)」は、クロケット&ジョーンズがハルボロラバー社と共同で作り上げたエクスクルーシブソールになります。ダイナイトソール特有のスタッドと呼ばれる凸凹を円形の溝に変更することでソールの厚みを減らし、レザーソールに近いドレッシーな見た目を実現していることが特徴です。通常のダイナイトソールよりも屈曲性・グリップ力に優れており、ソールがしっかり地面に張り付くのでたいへん歩きやすいです。丈夫で擦り減りにくく、水に強く雨の日でも安心して履けるという特性は従来同様です。実用性、コスト面(ソールの張り替え頻度)、いずれもレザーソールよりも秀でています。
国内代理店が設定している国内定価になります。